症例による病態栄養講座
第82回 糖尿病腎症の栄養管理
Nutritional control of diabetic nephropathy
栄養-評価と治療 Vol.31 No.4, 5-9, 2014
「Point」糖尿病腎症の栄養管理は継続することが重要で,患者と管理栄養士がいかに信頼関係を築けるかがポイントになる。腎症の病期のどの段階で栄養食事指導を受けるかによっても患者心理や理解度に差が生じる。特に病期が進んではじめて栄養食事指導を受けた場合には,将来に希望がもて,患者自身が積極的に行動できるような支援が必要となる。たんぱく質調整食品やでんぷん製品などの治療用特殊食品も数多く販売されているので,試食の機会を設け,個人の好みにあったものを選択し,購入方法の紹介なども必要となってくる。
「Ⅰ.はじめに」糖尿病の3大合併症は神経障害,網膜症,腎症であるが,そのうち食事療法に関連が深いのは糖尿病腎症である。食事療法に対する患者の受け入れかたについては決して良好とはいえない。特に病期が進行してからの食事療法の変更においては顕著である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。