特集 栄養管理における微量元素
経腸栄養と微量元素
Enteral nutrition and trace elements
栄養-評価と治療 Vol.31 No.3, 26-31, 2014
「SUMMARY」微量元素は, 第6次改定日本人の栄養所要量以降その重要性が指摘され, 現在では鉄(Fe), 亜鉛(Zn), 銅(Cu), マンガン(Mn), ヨウ素(I), セレン(Se), クロム(Cr), モリブデン(Mo)の栄養所要量が策定されている. 臨床では濃厚流動食や経腸栄養剤投与時に欠乏症とともに過剰症にも注意が必要である. 濃厚流動食や経腸栄養剤を投与する際は, 個々の特徴を理解し, 投与後にも血中濃度測定などで定期的な評価を行うことが肝要といえる.
「I はじめに」微量元素は, 2000年の第6次改定日本人の栄養所要量以降その重要性が指摘され, 「日本人の食事摂取基準」(2010年版)では鉄(Fe), 亜鉛(Zn), 銅(Cu), マンガン(Mn), ヨウ素(I), セレン(Se), クロム(Cr), モリブデン(Mo)の栄養所要量が策定されている(表1)1). 微量元素は体重1kgあたり1mg以下, または体内貯蔵量が鉄よりも少ない金属であり, 多くの生理作用に関与している.
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