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特集 栄養管理における微量元素

微量元素の評価法

Nutritional evaluation of trace elements

遠藤龍人小岡洋平遠藤啓佐原圭滝川康裕

栄養-評価と治療 Vol.31 No.3, 22-25, 2014

「SUMMARY」微量元素の栄養状態を評価するにあたっては, 摂取量の推定と臨床症状の評価を基本とし, 血液をはじめとする生体試料中の濃度測定や, 微量元素が関与する酵素活性の測定によって体内量の推定を行う. 得られた測定値を解釈する際には, 生体内プールからの移動や血中の蛋白・アミノ酸との結合様式, 排泄経路や排泄量, 関連する検査項目などをふまえたうえで, 総合的に判断することが重要である.
「I はじめに」生体を構成する種々の微量元素は, 体内における含量はきわめて少ないが最適濃度に維持・調節されている. しかし, 特定の元素の欠乏や過剰蓄積により恒常性が失われると, 生体内の酵素や生理活性物質の機能障害をきたし, 特有な病態を引き起こすことが知られている. わが国で通常の食生活を行うかぎり, 微量元素の欠乏症や過剰症が生じることは少ないが, 長期にわたり完全静脈・経腸栄養管理を施されている患者では微量元素の過不足が生じる可能性があるため, 定期的な評価はきわめて重要である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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