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特集 栄養管理における微量元素

微量元素の役割と代謝の概要

Functions and metabolism of trace elements in humans

児玉浩子小川英伸佐藤恭弘元山華穂子

栄養-評価と治療 Vol.31 No.3, 18-21, 2014

「SUMMARY」必須微量元素には, 鉄, 亜鉛, 銅, セレン, ヨウ素, クロム, モリブデンなどがあり, 体内に微量しか存在しないが, 必須の栄養素である. 摂取不足で欠乏症, 摂取過剰で過剰症が発症することは, わが国でもまれではない. それぞれの微量元素の体内機能, 欠乏・過剰の症状と要因, 代謝などをまとめた. 欠乏・過剰の予防と臨床現場で異常を見逃さないことが大切である.
「I 微量元素とは」鉄より体内の含有量が少ない元素と定義されている. また, 元素はミネラルともいわれる. ヒトにとって必要不可欠な微量元素は必須微量元素といわれ, 鉄(Fe), 亜鉛(Zn), 銅(Cu), セレン(Se), マンガン(Mn), ヨウ素(I), クロム(Cr), モリブデン(Mo), コバルト(Co)などを指す1)2). 「日本人の食事摂取基準」(2015年版)3)では微量ミネラルとして, コバルト以外の上記の微量元素の推定平均必要量, 推奨量(マンガン, クロムは目安量), 耐容上限量(習慣的にこの値を超えて摂取すると, 過剰症による潜在的な健康障害のリスクが高まる量)が示されている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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