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症例による病態栄養講座

第81回 食道癌術後回復期における栄養管理―空腸瘻併用事例―

Postoperative recovery period -nutritional management to patients with esophageal cancer -case of jejunal fistula with ingestion-

髙田守康萩原喜代美井上繁治石川佳代子大平雅一

栄養-評価と治療 Vol.31 No.3, 11-14, 2014

「Point」食道癌術後回復期の患者では, 吻合部狭窄による通過障害や嚥下障害により, 経口摂取量が安定しない場合がある. そのため, 症状にあわせて食事内容を検討し経口からの支援を行いつつ, 摂取栄養量を評価し, 空腸瘻や静脈栄養から不足する栄養量を補充する必要が生じる. すなわち食道癌術後回復期では, 複数の栄養投与経路からの栄養管理が求められる. 管理栄養士は患者の目標栄養量を確保するために, 経口栄養, 経管栄養, 経静脈栄養のすべての投与経路を管理し, 総合的に評価できる能力を身につけるよう努めなければならない.
「I. はじめに」われわれ管理栄養士は患者の目標栄養量を充足するため, 症状に適した食事形態をはじめ, 食べかたや量を工夫し経口摂取の支援を行うが, 病態により思うように摂取量の増加が望めず難渋する場合がある. このような場合には投与経路を再検討し, 栄養量の確保に努め, 栄養状態の改善に寄与しなければならない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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