【特集 Cachexiaと栄養管理】
消化器癌周術期における栄養療法
Perioperativenutrition support in cancer patients
掲載誌
栄養-評価と治療
Vol.30 No.4 32-34,
2013
著者名
愛甲丞
/
瀬戸泰之
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
消化器
/
癌
/
栄養管理
診療科目
腫瘍内科
/
手術・救急
/
消化器外科
媒体
栄養-評価と治療
「SUMMARY」ERASや免疫栄養療法の概念の浸透に伴い, 消化器癌周術期の栄養療法は大きく変わってきている. 術前の免疫調整栄養剤投与や, 術後早期の経口(経腸)栄養開始が行われるようになった. その実践には主観的包括的アセスメント(SGA)を用いた術前スクリーニングや予後栄養指数(PNI)によるリスク評価が必要であり, 術後は化学療法などの後続の治療も考慮した十分な栄養管理を行うことが肝要である. 「I はじめに」近年, 消化器癌の周術期栄養管理には大きな変遷がみられる. かつては術前から術後1週間まで絶食を続け, 中心静脈栄養(total parenteral nutrition;TPN)により管理することが当たり前だった時代もあった. 早期から経腸栄養を行うことで縫合不全などの合併症を起こす懸念があったためである. 現在では早期の経腸栄養の安全性が確認され, 経腸栄養のほうが生理的であり, 腸粘膜萎縮・腸管内細菌叢の乱れ・免疫能低下を防ぐというメリットが示されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。