「SUMMARY」超高齢・多死社会を乗り切るために, 中学校区を一単位とする「地域包括ケア」という概念が提唱されている. そのなかで, 食べることを多職種で支援するシステムの構築が急がれている. ケア会議を利用したり, 訪問栄養指導を核とした「在宅NST」活動を積極的に推進する必要がある. 「I 地域包括ケアとは」超高齢社会における生活, 療養の場が問題になっている. 病院や介護施設の箱物には限りがあるなかで, 多死社会における最期の療養の場をどうするかについての議論がなされている. 現在, 年間約120万人が死亡しているが, 2025年には年間160万人が亡くなりそこがピークになると予想されている. つまり今後12年間, さらなる超高齢・多死社会を迎えるにあたり, 終の住処の確保が国家的課題となっているのである. 現在, 病院死が約8割, 在宅死が1割強を占めているが, 今後新たに増加する「47万人の死に場所」をめぐる議論が急がれつつ, まずは介護施設に加えて厚生労働省と国土交通省の連携で, サービス付き高齢者向け住宅の建設が推進されている.
「KEY WORDS」地域包括ケア,ケア会議,在宅NST,経口補水療法