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特集 高齢者の栄養管理

高齢者の栄養障害 2)慢性期病棟における栄養状態とその管理

The nutritional status and management of the chronic phase elderly in Long-term care type hospital

赤津裕康

栄養-評価と治療 Vol.30 No.3, 26-29, 2013

「SUMMARY」医療法人さわらび会福祉村病院では, 栄養サポートチーム(NST)の立ち上げ以前より経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)の導入を行っており, 導入当初は経鼻胃管(NG)の相当数の症例がPEGに移行したが, 現在では点滴栄養を希望される家族も多い状況を反映し, 中心静脈からの高カロリー輸液法(CV/TPN)症例が増えた. しかし, CV/TPNはより高度な医療であり, その平均維持期間も10ヵ月に及ぶ. 昨今, 胃瘻は敬遠される風潮にあるが, その後の漫然とした継続を避ければ有用な場合もあり, 適応となる時期も存在している. 腸管を使用することはより自然であり, また新バイオティクスなどの介入により免疫能への働きかけも可能であるため, 正しい知識に基づき患者, 家族の意思を尊重した総合的な栄養管理が望まれる. 「I 慢性期病棟における栄養状態」1. 慢性期病棟の役割(立場) 高齢者の慢性期病床は1992年の医療法改正で制定された「療養型病床群」に該当し, 2000年4月の介護保険法の施行により, 従来からの医療保険の対象となる病棟と介護保険の対象となる病棟のいずれかに区分されている.
「KEY WORDS」NST,PEG,CV/TPN,プロ/プレバイオティックス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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