特集 高齢者の栄養管理
高齢者の栄養障害 1)高齢者の栄養とサルコペニア・虚弱
Nutrition for elderly people with sarcopenia or frailty
栄養-評価と治療 Vol.30 No.3, 23-25, 2013
「SUMMARY」サルコペニアと虚弱は, 加齢に伴う身体機能低下に関わる問題として重要視されている. これらの発症機構は十分に明らかにされているわけではないが, 栄養や運動による一定の改善効果が認められている. 筋肉の合成増加という視点では, たんぱく質(アミノ酸)やω3系不飽和脂肪酸が有効とされている. また, たんぱく質, 抗酸化ビタミンの摂取が虚弱の有無に関わることも報告されている. 「I はじめに」超高齢社会(65歳以上の高齢者人口が21%を超えた社会)に突入したわが国における高齢者医療の課題の1つは, 高齢者が自立状態でいられる健康寿命を延ばすことである. このような観点から, 近年の老年医学領域では, サルコペニアや虚弱などの加齢に伴う身体機能低下に関連する問題が注目を集めている. これらの状態は, 加齢という生物にとって不可避な問題に起因するものの, 栄養や運動などの改善により一定の予防効果があることも知られてきている.
「KEY WORDS」蛋白同化障害(anabolic resistance),ロイシン,ω3系不飽和脂肪酸,mTOR蛋白,抗酸化ビタミン
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。