みんなですすめる臨床栄養管理
第25回 岡山大学病院臨床栄養部
栄養-評価と治療 Vol.30 No.3, 5-8, 2013
「なぜ始めたのか」筆者が岡山大学医学部附属病院医事課栄養管理室に採用されたのは1998年10月で, すでに糖尿病のチーム医療が始まっており, 糖尿病歴が長く合併症も進んだ患者に接する機会もあった. また, 病棟訪問を開始すると栄養状態に問題のある患者, 食べられない患者の相談を受けることが増えていった. そのようななか, 2002年1月に熊本で開催された第17回日本静脈経腸栄養学会(Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition;JSPEN)に参加し, 栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)をなんとしても立ち上げなければと一大決心をした. 当時, 当院第2外科に内藤稔医師が戻ってこられたため, 早速にもNSTを立ち上げたいと相談したが, 「大学では無理でしょう」との返事だった. しかし, 同時期に患者支援センターが発足し, 初代センター長の公文裕巳教授, 保健学科の川田智恵子元教授に, 栄養介入することがまさしく治療を支える大事な患者支援だとアピールしてみたところ, 当時の病院長であった第2外科の清水信義教授が「それは大事なことだ, やろう!」とトップダウンで内藤医師に話がつながり, その後とんとん拍子に岡山大学病院NSTが産声を上げた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。