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特集 スポーツ医学における栄養

高齢者のスポーツ活動を抑制するサルコペニア予防のための食事と運動

Nutrition and exercise in the prevention of sarcopenia

藤田聡

栄養-評価と治療 Vol.30 No.2, 33-35, 2013

「SUMMARY」加齢に伴う筋量と筋機能の低下(サルコペニア)は高齢者の機能的自立を奪い, スポーツ活動への参加を困難にする. たんぱく質摂取とレジスタンス運動はともに骨格筋のたんぱく質合成を刺激する因子である. 食生活と運動習慣を再検討することで, サルコペニアの進行を予防・遅延させることが可能である. 「I サルコペニアとは?」骨格筋は運動における力の発揮に欠かせない身体組織であり, スポーツのパフォーマンスを決定する要因の1つである. しかし健常成人であっても, 骨格筋量は20歳を過ぎると50歳までに約5~10%低下し, さらに50~80歳までに30~40%の筋量が激減することが報告されている1). この加齢に伴う筋量減少とそれに伴う筋機能の低下をサルコペニア(sarcopenia:ラテン語でsarco=肉, penia=減少を意味する)と呼ぶ. サルコペニアは, 筋力, 筋機能の低下による転倒の危険性を増加させるだけでなく, 糖質・脂質代謝の異常を引き起こし, 糖尿病発症のリスクを増加させることも報告されている.
「KEY WORDS」サルコペニア,たんぱく質,レジスタンス運動,アミノ酸,高齢者

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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