特集 第35回日本栄養アセスメント研究会発表演題より
精神科における入院時の低栄養状態発生状況について
A study on malnutritional status at admission in psychiatry ward
栄養-評価と治療 Vol.30 No.1, 31-33, 2013
「SUMMARY」精神科には統合失調症, うつ病, そして認知症などを発症した10~80代の幅広い年代の患者が入院する. そこで, 疾患別, 年代別に低栄養状態の発生状況について検討したところ, 65歳以上の高齢精神疾患患者, 65歳未満のうつ病患者では, 食事摂取量低下が原因と考えられる低栄養状態の患者が多くみられた. 今後, 精神科領域でも食事摂取量に注意し, 栄養管理を行うことが必要と考えられる. 「I はじめに」近年わが国では, うつ病で精神科を受診する人の割合が, 1996年の41万人に対して2008年では101万人と, 増加の一途をたどっている1). うつ病は食事摂取量が低下することも多く2), 低栄養状態の発生に注意が必要な疾患でもある. さらに現在, わが国は急速に進む高齢化とともに認知症発症者も増加しており, 2040年にはその数が現在の倍近い385万人に達すると予測されている3).
「KEY WORDS」低栄養状態,うつ病,認知症,高齢者,精神科
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。