「SUMMARY」非蛋白呼吸商(npRQ)が低下した肝硬変患者において就寝前軽食(LES)が推奨されているが, 測定には間接熱量計が必要であり, 一般に日常臨床で測定することは困難である. そのためnpRQの代替栄養パラメーターとして血液・生化学検査について検討したところ, 遊離脂肪酸(NEFA)に相関が認められ, npRQ=0.85に対する予測値はNEFA660(μEq/l)であった. NEFAはnpRQの代替栄養パラメーターとして有用であると考えられた. 「I 目的」肝臓は糖質・脂質・たんぱく質・アミノ酸などの代謝・貯蔵の中心的な役割を果たしていることから, 肝硬変患者においてたんぱく質・エネルギー栄養障害(protein-energy malnutrition;PEM)が高頻度に出現し, 患者のQOLや予後に影響を及ぼす1). 蛋白低栄養の指標としては上腕筋囲(arm muscle circumference;AMC)・血清アルブミン値(Alb)が有用であり, エネルギー低栄養の指標としては上腕周囲長(arm circumference;AC)・上腕三頭筋皮下脂肪厚(triceps skinfold thickness;TSF), また間接熱量計で計測した非蛋白呼吸商(non-protein respiratory quotient;npRQ)が使用されて, 予後との相関を認める1)2)(図1).
「KEY WORDS」就寝前軽食(LES),間接熱量計,非蛋白呼吸商(npRQ),遊離脂肪酸(NEFA),上腕周囲長(AC),上腕筋囲(AMC)
「KEY WORDS」就寝前軽食(LES),間接熱量計,非蛋白呼吸商(npRQ),遊離脂肪酸(NEFA),上腕周囲長(AC),上腕筋囲(AMC)