症例による病態栄養講座
第75回 認知症患者の栄養管理
Nutritional management of patients with dementia
掲載誌
栄養-評価と治療
Vol.30 No.1 10-12,
2013
著者名
岡田有司
記事体裁
症例
/
抄録
疾患領域
神経疾患
/
栄養管理
診療科目
神経内科
/
老年科
/
精神科
媒体
栄養-評価と治療
「Point」認知症患者は増大の一途をたどっている. 認知症患者の栄養管理は初期には経口栄養を行うことになるが, 症状の進行に伴い経口的な栄養摂取量は減少する. この場合, 末梢静脈栄養と経口栄養の併用を行うことが一般的であり, 経管栄養に踏み切るタイミングを逸する可能性もある. 栄養補給量や栄養補給法だけではなく, 専門医による抗認知症薬や向精神薬の調整, 患者家族との話し合いなども交え, 将来的に起こりうる認知症患者の低栄養対策を行っていく必要がある. 「I. はじめに」わが国はすでに超高齢社会に突入しており, 高齢者人口の急激な増加と全人口に占める高齢者の割合はどの国も経験したことのない状況だといえる. 高齢者人口の増加に伴い認知症高齢者の割合も増加しており, 2040年には385万人になると試算されている. 認知症ケアを専門とする医療機関以外でも認知症高齢者のケアを行う機会が増えてきており, 今後の認知症高齢者の増加をふまえ, 認知症の適切な理解と栄養ケア・栄養管理の実施が医療・福祉領域では重要となる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。