SUMMARY ICUにおける呼吸管理,特に挿管下人工呼吸管理の精度向上は重要な課題である。管理中の人工呼吸器関連肺炎(VAP)は,生命予後を悪化させる忌むべき合併症であり,ICUにおける病院感染対策の主要な対象である。その予防にはICU入室時からの総合的な管理が重要であり,各種対策を組み合わせたものがVAPバンドルとして理解されている。VAP対策としての栄養管理では特に早期経腸栄養が重要であり,それによる栄養状態,生体免疫能の改善以外に,消化管機能に由来する唾液分泌による口腔内浄化,腸管蠕動促進による消化管内細菌の口側への逆流回避,蠕動に伴う横隔膜可動性の改善による喀痰促進などが見込まれ,重要な対策法となる。 KEY WORDS ■人工呼吸器関連肺炎(VAP)  ■早期経腸栄養 ■挿管チューブ ■腸内細菌叢 ■内因性感染