SUMMARY 生体の栄養・代謝のメカニズムを学び,研究を行うことは,外科系医師や救急科・ICU医師として活躍するうえで不可欠である。近年,周術期栄養管理に関するセミナーや静脈経腸栄養ガイドラインを通して,栄養・代謝の知識を容易に習得することが可能になったが,栄養管理の基礎となる栄養・代謝を総合的に学ぶ機会は十分でない。外科総論としての侵襲時の代謝・栄養,周術期感染症,周術期管理は,臓器別各疾患を学ぶと同様に重要であり,医学部教育に独立した科目としてさらに時間を設ける必要がある。さらに「創傷治癒,外科感染症と関連が深い代謝栄養学を基礎とした栄養治療は外科患者の臨床的アウトカムと密接に関連している」という概念を十分に理解する必要がある。外科系医師に対しては教育を行い,高い臨床能力とリサーチマインドを培い,質の高い栄養研究を行うことが重要である。 KEY WORDS ■外科総論 ■代謝栄養学 ■卒後教育 ■卒前教育 ■臨床研究