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栄養療法に対する認識と期待

病院運営責任者として,栄養サポートチームにかける期待

Expectation for the nutritional support team from the point of hospital administration

山口俊晴比企直樹

栄養-評価と治療 Vol.29 No.3, 24-26, 2012

SUMMARY
栄養サポートチーム(NST)の活動を拡大することで,栄養評価が確立したばかりでなく,栄養療法の内容も大きく変化した。チーム医療の一環としてのNST活動は,病院の医療の質を向上させ,運営の効率を高めるという大きな効果をもたらした。また,多職種によるチーム医療の1つとして,職員間の相互理解やモチベーションの向上にもつながっており,病院には必須の体制といえよう。

KEY WORDS
■栄養サポートチーム(NST) ■チーム医療 ■栄養評価 ■経腸栄養

Ⅰ はじめに

 癌治療における栄養管理の重要性は,広く認識されるようになってきた。これは単に担当医の意識改革ではなく,病院全体としての栄養管理のレベルアップが,医療の質の向上に大きく寄与することが理解されてきたからである。公益財団法人がん研究会有明病院は2005年に新築移転したことをきっかけに,旧病院でも一部行われていたチーム医療を,設備,病院組織を大改革することで全面的に導入したが,その際に栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)についても本格的に活動が開始された。その効果は著しく,移転7年目に入った今,大きな成果を上げていることが確認されるとともに,NSTのますますの強化が図られようとしている(表1)。

このように病院運営において,大きく寄与したNSTについてのわれわれのささやかな経験をお伝えする。

Ⅱ 2005年の大改革

 それまで文京区大塚にあった「財団法人癌研究会附属病院」は「財団法人癌研究会有明病院」と名称が変更され(現在は,公益財団法人がん研究会有明病院と改称)江東区有明に2005年3月に移転した。病床数は500床から700床に増加し,緩和病棟も新設された。手術件数も旧病院では年間4,200件程度であったが、移転後は年々増加し,2011年には7,100件に達している。高齢者や低栄養患者,重症患者も増加し,急性期病院としてこれら急増した患者をいかに安全に効率よく治療するかということが課題になってきている。
 Cancer Boardを中心とした臓器別チーム医療は,一部旧病院でも呼吸器外科・内科,消化器外科・内科で試みられていたが,設備やスタッフの関係で十分に機能しているものとは言い難かった。有明に移転後,臓器別に呼吸器センター,消化器センター,レディスセンターなどが置かれ,臓器別の外来診療,臓器別の入院医療が開始された。このチーム医療は基本的には,医療行為の意思決定のプロセスのチーム医療化という点に重点が置かれており,外科系,内科系など複数の診療科の医師チームによるものであった(図1) 1)。

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