SUMMARY ERASプロトコールは術後早期回復を目指したプログラムであるが,移植外科は対極にある。しかし肝移植においても,ERASの概念の導入により早期回復を図ることは重要である。肝移植におけるERASプロトコールの3大必要条件は,適切な栄養療法,基礎体力の維持,感染対策であり,ERASプロトコール実践のカギは,外科医や看護師のみならず,栄養士,理学療法士,ICTなどを含む病院の総合力,すなわちチーム医療である。 KEY WORDS ■肝移植 ■ERASプロトコール ■栄養療法 ■チーム医療