<< 一覧に戻る

NST活動の現状と今後の展開

NST活動の現状と問題点 栄養治療センターとNST

鷲澤尚宏長沼広和

栄養-評価と治療 Vol.28 No.4, 34-37, 2011

Summary
栄養サポートチーム(NST)と嚥下障害対策チームで構成される東邦大学医療センター大森病院の栄養治療センターは,守備範囲の広い中央部門として,その機能を成長させているが,食思不振などへの対応を含め,課題がなお多いのも事実である。業務を行う部屋が拡充され,各部署との連絡がスムーズになったことは栄養治療センターとなった利点である。

Key words
■ 栄養治療センター ■ PPM-Ⅲ ■ 診療部門 ■ NSTステーション

Ⅰ はじめに

 わが国におけるチーム医療の歴史は2000年以降に成熟したと言える。褥瘡対策を多職種で行う際に,各医療機関はそれまでになかった体制を作ることで,結果として,多くのチーム医療が芽を吹く土台を育てた。栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)は1970年代から普及し,わが国では2001年の日本静脈経腸栄養学会NSTプロジェクトをきっかけに全国的な広がりをみせるようになった。しかし,わが国のNSTは施設ごとの診療科特性や形態,業務内容が大きく異なるため,NSTもさまざまな発展の仕方をしてきた。

Ⅱ わが国におけるNSTの立ち上げ方と歴史

 1970年代は診療科や大学講座が特定の薬剤師や栄養士を交えて,病棟看護師と診療科単位のチーム医療を行っていたが,2000年頃から全科対応型のNSTが普及していった。この背景には,栄養療法に興味をもち,自身の職場で有効な栄養療法を実現したいと願った医療関係者が,学会などの情報源で得たチーム設立を目指して草の根運動的に普及させた経緯がある。これは,東口が提唱した持ち寄りパーティー方式(potluck party method;PPM)で,業務の空き時間を少しずつ持ち寄り,協力し合う方法であった1)。2005年頃からは多くの地域でチーム医療が普及したため,病院運営者の既知となり,組織化されはじめた。2006年以降は栄養管理実施加算が多職種共同での算定であったことから,ほぼNSTの設立をもってこれに当たる施設が増加した。したがって,職員達が自ら同志を募って組織していった時代から,病院運営者が組織として設立する時代へと変化していったのが2006年頃と言える。組織化しやすい方法として,「栄養サポート委員会」のワーキングチームとしてのNSTが増加し,さらに一部の施設では「栄養治療センター」や「栄養治療部」が設立され,多職種共同業務をコントロールしている。NST活動の中心となる部署を設立して,サテライトチームを構成する方式がPPM-Ⅲであり,1,000床を超える大規模病院で採用されている2)。

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る