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NST活動の現状と今後の展開

NSTスタッフの教育体制と認定制度 NSTにおけるJCNTの仕組みと役割

大柳治正

栄養-評価と治療 Vol.28 No.4, 18-20, 2011

Summary
日本栄養療法推進協議会(JCNT)はそれぞれの学会が栄養サポートチーム(NST)活動の普及・啓発と通じて,臨床栄養管理法の向上に貢献するのを,第三者的に評価,指導するとともに,その質の保証を行うことを目的として設立された。同時にJCNTは医療従事者の臨床栄養に関する教育,啓発にも努力している。

Key words
■ 日本栄養療法推進協議会(JCNT) ■ 栄養サポートチーム(NST) ■ NST稼働施設 ■ 認定基準

Ⅰ はじめに

 1970年代に静脈栄養法の合併症対策として設立された栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)は,米国で先行し,本邦では長い間ごく一部の施設しか活動していなかった。医師を含む大部分の医療従事者が臨床栄養に関する系統的な教育を受けていなかったことと,多職種にまたがるチーム医療という概念が育ちにくい環境にあったためである。2001年に日本静脈経腸栄養学会(Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition;JSPEN)が全科型のNST導入・普及を目的として,学会主導でNSTプロジェクトを設立したときには,本邦でのNST稼動施設数はまだ12であった。
 しかし,米国のような経費のかかる専属チームに固執しないで,JSPENが主導したNSTは持ち寄りパーティー方式として兼業・兼務システムとしたために,NSTの臨床効果とともに,稼動施設が急増してきた。この医療従事者によるボランティア活動ともいえるNSTの発展を長続きさせるために,NSTの社会的認知と財政的裏付けへの環境整備の一環として,第三者機関の設立が望まれるようになってきた。

Ⅱ 第三者機関・日本栄養療法推進協議会の設立

 他稿で詳細に述べられているように,JSPENはNSTの質の保証と向上を目指し,NST専門療法士やNST稼動施設の認定制度を設置,整備に努力しているが,より公平性を担保するために,第三者機関である日本栄養療法推進協議会(Japan Council for Nutritional Therapy;JCNT)が設立された。主として急性期疾患を対象とするJSPENおよび日本外科代謝栄養学会と,主に慢性期疾患を扱い,医師と管理栄養士を対象に病態栄養専門士,NSTコーディネイター制度や稼動施設認定を独自に行っている日本病態栄養学会(Japan Society of Metabolism and Clinical Nutrition;JSMCN)との間に話し合いがもたれた。2004年9月24日に,これら3学会と日本医師会,日本看護協会,日本栄養士会,日本病院薬剤師会,日本臨床衛生検査技師会などの専門職に関する団体が合意に達し,JCNTが発足した。初代理事長に聖路加国際病院理事長 日野原重明先生が就任され,また2011年8月の理事会において,2代目理事長に近大姫路大学副理事長・副学長の大柳治正が選出された。

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