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第33回日本栄養アセスメント研究会発表演題より

肝硬変の成因別蛋白エネルギー代謝に関する検討

佐原圭遠藤龍人加藤章信鈴木一幸白木亮森脇久隆齋藤正紀西口修平

栄養-評価と治療 Vol.28 No.1, 25-27, 2011

SUMMARY
肝硬変では栄養代謝障害が高率に存在することが報告されている。今回,多施設での肝硬変の成因別のエネルギー代謝異常について検討した。対象症例としては,腹水がなくかつ肝細胞癌既往のない144例を対象とした。成因別の呼吸商(npRQ)は各成因とも重症度に従い低下した。さらに,重症度を層とした成因別npRQはアルコール性がウイルス性に比して低下傾向を示した。

KEY WORDS
■エネルギー代謝異常 ■呼吸商(npRQ) ■糖質燃焼比率 ■脂質燃焼比率 ■就寝前軽食摂取療法(LES)

Ⅰ 目 的

 肝臓は栄養代謝の中心臓器であり,肝硬変では糖質,脂質,たんぱく質・アミノ酸代謝を含めた多くの栄養代謝障害が高率に存在することが報告されている1)。栄養療法は肝硬変治療の基本となる。エネルギー代謝障害に関しては,早朝空腹時の三大栄養素の燃焼比率を検討すると,健常者に比較して糖質の燃焼割合の減少と脂質の燃焼割合の増加が観察され,その結果非蛋白呼吸商(non-protein respiratory quotient;npRQ) の低下がみられる2)。この異常は,健常者が3日間絶食にした状態と等しいエネルギー代謝異常と考えられ,その是正のために夜間の就寝前軽食摂取療法(late evening snack;LES)などの介入が行われている3)。肝硬変にみられるnpRQ低下の異常は肝硬変の重症度に相関し,重症度とともに進行することが報告されているが,肝硬変の成因別の差異については明らかではない4)。
 肝硬変の栄養治療にあたっては,成因別に介入時期などについて明らかにする必要があると考えられ,今回多施設での肝硬変の成因別のエネルギー代謝異常を検討した。

Ⅱ 方 法

 全国3施設(岩手医科大学附属病院,岐阜大学医学部附属病院,兵庫医科大学病院)に入院した肝硬変症例で間接熱量計によりエネルギー代謝動態を測定した144例を対象とした。肝硬変の診断は腹部超音波検査,CTなどの画像検査や肝組織検査,血液生化学検査などにより総合的に診断した。
 方法は統一シートを作成し,body mass index(BMI),肝硬変の成因,各種血液生化学検査,重症度(Child-Pugh分類),肝性脳症,浮腫・腹水の有無および肝細胞癌の既往を記入した。解析は未記入項目のある症例はその項目の解析対象から除外し解析を行った。また,BMIの項目においては腹水ありの症例を除外した。

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