<< 一覧に戻る

第33回日本栄養アセスメント研究会発表演題より

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)患者に対する栄養食事指導による体重減少の効果

大貫瑞穂行方幸美五味郁子戸田和正川島由起子鈴木通博鈴木博

栄養-評価と治療 Vol.28 No.1, 21-24, 2011

SUMMARY
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)患者に対する栄養食事指導を実施し,体重減少をはじめとする身体計測値の改善が,各種血液生化学検査値,およびNAFLDの病態に与える影響を検討した。その結果,体重減少が顕著であった群では,肝機能検査値,肝超音波検査所見などに改善が確認され,内臓脂肪蓄積の減少を主とした体重減少は,NAFLDの病態,および進展の予防に有効であることが確認された。

KEY WORDS
■非アルコール性脂肪肝(NAFLD) ■非アルコール性脂肪性肝炎(NASH) ■栄養食事指導 ■体重減少 ■内臓脂肪

Ⅰ 緒 言

 非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic fatty liver disease;NAFLD) は肝臓におけるメタボリックシンドロームの表現型として捉えられており,ウイルス性慢性肝疾患や自己免疫性肝炎などが除外され,また飲酒歴のない状態で肝臓への脂肪沈着を認める肝疾患である1)-3)。従来まで過栄養によるNAFLDは良性疾患と認識されていたが,現在ではその約10%の症例が非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis;NASH)に進展し,さらに肝硬変から肝癌に至る可能性が指摘されている1) 4)-7)。NAFLDのうち,単純脂肪肝(simple steatosis)とNASHの鑑別は肝生検のみが可能であるが5) 8), 日常診療においてNAFLD全症例に対して侵襲の伴う肝生検は現実的ではない。しかし,幸いにもNASHは肝臓への脂肪沈着を基盤に進行していくため5),NAFLDを放置せず,積極的に介入していくことがNASHの予防,および治療に繋がると考えられる。そこで,本研究では病態の基盤となる肥満に着目し,12ヵ月間の体重減少を目的とした栄養食事指導(以下,栄養指導)を実施した。体重減少をはじめとする身体計測値の改善が各種血液生化学検査値およびNAFLDの病態に与える影響を検討し,NAFLD患者に対する栄養指導による体重減少の有用性を評価した。

Ⅱ 対象と方法

 外来通院中の脂肪肝患者のうち,病態がアルコールやウイルス性慢性肝疾患に由来しない患者24例(男性11例,女性13例:平均年齢53.8±13.0歳)を対象とした。調査開始前より服薬のある場合は継続服薬とし,調査期間中に新たな投薬,服薬のあった場合は対象除外とした。方法は,12ヵ月間外来受診に合わせて管理栄養士による栄養指導を実施し,表1に示す研究計画に沿って3日間の食事摂取量調査,身体計測,生活習慣調査,食物摂取状況調査,血液生化学検査,腹部超音波検査を行った。

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る