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中心静脈栄養法の合併症と対策―最新の知見・工夫から―
最も安全な中心静脈カテーテル挿入経路としてのPICC
掲載誌
栄養-評価と治療
Vol.26 No.4 26-29,
2009
著者名
井上善文
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
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呼吸器内科
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脳神経外科
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小児科
/
消化器外科
媒体
栄養-評価と治療
「SUMMARY」中心静脈カテーテル(CVC)挿入に伴う合併症の発生を予防するための対策が行われている. 肘または上腕の静脈から挿入する末梢挿入式中心静脈カテーテル(PICC)は, 穿刺に伴う重篤な合併症が発生しない安全な方法である. しかし, 肘の静脈からPICCを挿入する場合には滴下不良や静脈炎の発生という問題がある. エコーガイド下に上腕の静脈を穿刺してPICCを挿入するという手技は, これらの問題も解決できるきわめて安全かつ有用な方法である. 「I はじめに」近年, 中心静脈カテーテル(central venous catheter;CVC)挿入に伴う重篤な合併症の発生が問題となっている. 鎖骨下静脈穿刺法や内頸静脈穿刺法などに対してはさまざまな合併症の予防対策が講じられているが, これらの穿刺法自体, 解剖学的にみても合併症発生を完全に防ぐことは困難であると言わざるをえない. 末梢挿入式中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter;PICC)は, 肘の静脈を穿刺して上大静脈内に先端を留置させるCVC(図1)である1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。