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各種疾病のガイドラインにおける栄養治療の位置づけ
褥瘡ガイドラインにおける栄養療法の位置づけと実際
掲載誌
栄養-評価と治療
Vol.26 No.2 55-57,
2009
著者名
浅尾高行
/
石川治
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
皮膚疾患
/
栄養管理
診療科目
一般外科
/
心臓血管外科
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脳神経外科
/
整形外科
/
皮膚科
/
消化器外科
媒体
栄養-評価と治療
「SUMMARY」褥瘡の予防と治療における適切な栄養療法の推奨は, 国内外の褥瘡あるいは栄養療法ガイドラインに共通して記載されている. さらに, 栄養状態のアセスメントに基づいた適切な栄養療法の実施と再評価の重要性, 投与ルートとしては経口摂取が原則であること, 十分量のたんぱく質, ビタミン, 微量元素の投与の必要性がガイドライン上に明記されている. 海外には褥瘡の重症度別の必要栄養量を規定したガイドラインが存在するが日本にはまだなく, 今後の課題である. 「I はじめに」創傷治癒を遅延させる要因の1つに「低栄養」があることは議論の余地がない事実であり, 難治性の褥瘡が栄養状態の改善に伴い急速に治癒に向かうことは, これまで日常臨床において経験的に知られてきた. 近年, チーム医療の有用性が認識され多職種のスタッフが患者に関わるようになったが, 局所に目を奪われがちな褥瘡の予防や治療においても, 栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)の介入による全身状態の改善を含めた取り組みが成果を上げている. 本稿では, 褥瘡ガイドラインにおける栄養療法について, わが国の現状と海外でのガイドラインにおける取り扱いについて概説する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。