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各種疾病のガイドラインにおける栄養治療の位置づけ
慢性腎臓病(CKD)ガイドラインにおける栄養治療の位置づけと実際
掲載誌
栄養-評価と治療
Vol.26 No.2 50-54,
2009
著者名
中尾俊之
/
金澤良枝
/
長岡由女
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
高血圧
/
糖尿病
/
腎臓
/
栄養管理
診療科目
腎臓内科
/
泌尿器科
媒体
栄養-評価と治療
「SUMMARY」ステージ1~2の慢性腎臓病(CKD)では原疾患に対する薬物療法が主体となり, 食事療法の役割は少ない. 食事療法の意義はステージが進むほど大きくなり, ステージ4~5で透析導入の遅延を目指す場合は, 低食塩・低たんぱく質の食事療法がきわめて有効な手段となる. また, 透析患者では食事療法の如何が透析回数の増減と関係し, あるいは直接生命に係わる事態となる場合もある. 「I はじめに」慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)は, すべての慢性の腎臓疾患を包含させて表現した呼び名である. CKDには多種類あり, その発症原因も個々に異なる. このCKDとして包含されるすべての疾病において, 末期腎不全に至り透析療法が必要となるリスクがある. とりわけ, 糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎, 腎硬化症が成人の腎不全に至るリスクの高い三大疾患となっており, これら3疾患で新規透析導入患者の約80%を占めている1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。