Ⅱ. 基礎
2.ウイルスの増殖において脂質がどのように関与するか
掲載誌
The Lipid
Vol.33 No.1 51-59,
2022
著者名
山地 俊之
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
ウイルス,脂質ドメイン,スフィンゴ脂質,コレステロール,ゲノム編集
2019年12月にはじめて報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,世界に重大な被害をもたらしている。この原因ウイルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のみならず,過去にも天然痘ウイルスやインフルエンザウイルスなど,多くのウイルスが人類に脅威を示してきた。ウイルスは宿主細胞内で増殖するため,その生活環を理解する上で細胞の構成成分である脂質との関係は切り離せない。本総説では,まずウイルスの生活環に関与する脂質の例を示し,次にゲノム編集法による宿主因子探索で脂質の重要性が示されている例を,SARS-CoV-2に対するスクリーニングを含め紹介する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。