Ⅱ. 基礎
1.病原微生物に対する自然免疫応答に脂質がどのように関与するか
掲載誌
The Lipid
Vol.33 No.1 44-50,
2022
著者名
中山 仁志
/
岩渕 和久
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
病原微生物,自然免疫,スフィンゴ糖脂質,マイクロドメイン,シグナル伝達
スフィンゴ糖脂質はシグナル伝達分子などとともに細胞膜上でマイクロドメインを形成している。これまでの研究により,スフィンゴ糖脂質が集まったマイクロドメインがシグナリングプラットフォームとして機能するとともに,さまざまな受容体と相互作用することで細胞内シグナル伝達に影響を与え,自然免疫応答をはじめとした生理機能を制御することが明らかとなってきた。また,ウイルスや細菌,真菌など多くの病原微生物は,スフィンゴ糖脂質に結合することで宿主細胞内に侵入することが知られている。本稿では,最近のCOVID-19に関する知見とともに,脂質のなかでも特にスフィンゴ糖脂質が自然免疫機構において担う役割を中心にまとめ解説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。