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特集 オルガネラと脂質-基礎と臨床から-

Ⅰ.基礎

3.ゴルジ体におけるスフィンゴミエリン含有膜ドメインと自然免疫シグナル(自然免疫分子STINGが惹起する自己炎症性疾患)

向井康治朗

The Lipid Vol.32 No.2, 31-37, 2021

2008年にウイルス感染時のI型インターフェロン産生に必要な遺伝子として同定されたSTINGは,この十数年の間で飛躍的にその活性化の分子メカニズムが明らかにされてきた1).興味深いことに,細胞質中のDNAを感知して遺伝子発現を誘導するSTING経路は,その途中でオルガネラ膜を巧みに利用してシグナル伝達を行う特徴がある.本稿では特に,膜蛋白質であるSTINGがゴルジ体でパルミトイル化修飾を受けて,ゴルジ体のスフィンゴミエリン/コレステロールを含む脂質ラフト様膜環境でシグナルを活性化する分子機構に関して概説する.
「KEY WORDS」ゴルジ体,スフィンゴミエリン,コレステロール,cGAS-STING経路,パルミトイル化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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