特集 食事療法と運動療法
Ⅱ. 運動療法の基礎と臨床 2.運動とマイオカインと糖・脂質代謝
掲載誌
The Lipid
Vol.32 No.1 55-60,
2021
著者名
眞鍋 康子
/
藤井 宣晴
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
運動,筋収縮,糖代謝,脂質代謝,マイオカイン
運動は多様な健康効果を全身にもたらす.この多様性と全身性を同時に実現するという,魅惑的だが不思議な現象を科学的に説明する要素の一つとして,骨格筋から分泌される生理活性因子(マイオカイン)の存在が明らかになってきた.マイオカインは運動によって,骨格筋から分泌され骨格筋自身や遠隔臓器に作用し,全身性の代謝促進にかかわる媒介因子として注目されている.その一方,マイオカインはほかの臓器からも分泌されているものが多数あり,骨格筋から分泌されたものが全身にどの程度,健康促進に寄与をしているかは明らかにはなっておらず,マイオカインの健康増進仮説の解明はまだ道半ばである.本稿では,これまでに明らかになっている代謝関連のマイオカインに限定して,概説する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。