特集 食事療法と運動療法
Ⅰ. 食事療法の基礎と臨床 2.糖・脂質代謝異常症に対する食事療法と腸内細菌叢
掲載誌
The Lipid
Vol.32 No.1 26-32,
2021
著者名
大友 佑介
/
入江 潤一郎
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
短鎖脂肪酸,胆汁酸,アミン,芳香族炭化水素受容体
糖尿病や脂質異常症などを有する患者において,腸内細菌の構成と機能が健常者と異なることが明らかになってきた.患者の腸内細菌叢は,短鎖脂肪酸や胆汁酸,アミノ酸の代謝機能が健常者と異なっており,そのために腸管ホルモン分泌が低下し,また腸管バリア機能の低下によるエンドトキシン血症が生じ,宿主にインスリン抵抗性が惹起されている.経口摂取する食物繊維や脂質の量,摂取時間などを指示する食事療法は,腸内細菌の機能維持にきわめて重要であり,腸内細菌と宿主の代謝応答を視野に入れた食事処方が今後は必要である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。