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特集 糖脂質代謝連関と老年病

Ⅱ. 臨 床 2.糖尿病細小血管症と脂質異常症

藤田征弘前川聡

The Lipid Vol.31 No.2, 49-55, 2020

糖尿病患者に伴った脂質異常症で,高TG血症と低HDLコレステロール血症がそれぞれ糖尿病細小血管症の危険因子と考えられている.スタチンは大血管障害の発症・進展を抑制するが,糖尿病細小血管症に対しての評価は定まっていない.一方,フィブラートはTGの低下作用に必ずしも依存せず,糖尿病細小血管障害特に網膜症と腎症の発症・進展を抑制する効果が報告されている.一方,Steno-2 StudyやJ-DOIT-3によって,血糖,血圧,脂質などに対する包括的な介入試験が細小血管症の発症進展にも有効であることが確認されている.
「KEY WORDS」糖尿病細小血管症,高TG血症,低HDLコレステロール血症,フィブラート,包括的介入

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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