特集 糖脂質代謝連関と老年病
特集にあたって
The Lipid Vol.31 No.2, 12-13, 2020
生活習慣の欧米化と未曾有の高齢化社会を迎えたわが国において,糖脂質代謝異常症は日常診療で最もよく遭遇する疾患だといえる。一方,最近になり,脂肪細胞の炎症や脂肪毒性が糖代謝異常を引き起こすだけでなく,糖代謝異常が脂質代謝異常を招き,心血管病をはじめとする多くの老年病の発症,進展にかかわることがわかってきた。事実,酸化コレステロールや終末糖化産物(advanced glycation end products;AGEs)などが,多岐にわたる老年病の発症や予後を規定するバイオマーカーになり得ることも明らかにされてきている。本特集では,「糖脂質代謝連関と老年病」をテーマに基礎,臨床両面から最近のトピックスについてご専門の先生方にご執筆をいただいた。各章とも最先端の情報が医学的なエビデンスに基づいてまとめられているため,大変に読みごたえのある内容になっている。内容の詳細は以下の原稿をお読みいただくこととして,ここでは簡潔に本特集号をoverviewしてみたい。
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