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特集 いま,脂質がおもしろい ~若手研究者による最新の脂質研究~

4.脂肪酸によるマクロファージ機能制御と生活習慣病

大石由美子

The Lipid Vol.31 No.1, 59-64, 2020

マクロファージは,古くから「貪食細胞」として知られ,病原体や死んだ細胞を貪食し感染に対する防御機能を担うと考えられてきた.ところが,最近の研究から,マクロファージは生体の恒常性の維持や,肥満・糖尿病など生活習慣病の発症につながる「慢性炎症」の制御にも重要であることが明らかとなった.また,マクロファージの細胞機能としての炎症応答は,細胞内代謝,特に細胞内の脂肪酸代謝と密接に関連していることも明らかとなりつつある.本項では,マクロファージの細胞内脂肪酸代謝によって,生活習慣病の病態形成がいかに制御されるか,概説したい.
「KEY WORDS」マクロファージ,不飽和脂肪酸,細胞代謝,生活習慣病,慢性炎症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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