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特集 いま,脂質がおもしろい ~若手研究者による最新の脂質研究~

4.NASH(非アルコール性脂肪肝炎)と機能性脂質

伊藤美智子

The Lipid Vol.31 No.1, 34-39, 2020

非アルコール性脂肪性肝疾患のなかで単純性脂肪肝は予後良好とされるのに対し,非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝硬変・肝細胞がんに進展する重症型である.脂肪肝とNASHを分ける特徴として,飽和脂肪酸やコレステロールなど細胞障害性のある機能性脂質の増加が知られ,これらの脂質がもたらす「脂肪毒性」は慢性炎症から組織線維化へと進展する駆動力になっていると考えられる.脂肪毒性は肝細胞の細胞死を誘導するだけでなく,マクロファージや線維芽細胞などの疾患特異的活性化を制御する可能性があり,脂肪毒性の本態を理解することで,NASH発症機構の解明と新規治療標的の探索につながると考えられる.
「KEY WORDS」脂肪毒性,細胞死,マクロファージ,線維芽細胞

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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