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特集 生体制御にかかわる多彩なリポクオリティ~基礎から病態まで~

9. リポクオリティと臨床検査

蔵野信矢冨裕

The Lipid Vol.30 No.4, 75-81, 2019

近年の脂質研究により,リゾリン脂質,エイコサノイドをはじめとする生理活性脂質がさまざまなヒト疾患の病態生理へ関与している可能性がわかってきた.しかしながら,実際のヒトサンプルにて証明されている例は多くない.ヒトサンプルを用いて生理活性脂質を測定すると,基礎研究から提唱されてきた生理活性脂質が関与する疾患病態生理がヒトでも確認される場合もあれば,新しい機序の存在が示唆される場合もある.また,サンプルの扱い,測定系の正確さについて注意が必要であるが,髄液中のリゾホスファチジン酸,リゾホスファチジルコリンが疼痛の客観的バイオマーカーとして有用なように,臨床的に有用な生理活性脂質は臨床検査への導入の実現が期待されている.
「KEY WORDS」リポクオリティ,臨床検査,生理活性脂質,質量分析計,リゾリン脂質

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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