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特集 わが国の最近の生活習慣病コホート/ビッグデータ研究と臨床試験

Ⅰ.一般住民コホート研究

2.Japan Public Health Center-based Prospective Study(JPHC Study)

後藤温澤田典絵津金昌一郎

The Lipid Vol.30 No.3, 19-25, 2019

多目的コホート研究(JPHC Study)は,1990年に開始した10都府県11保健所管内の40~69歳の地域住民14万人を対象人口とした前向き追跡調査であり,約11万人が開始時のアンケートに回答した.異動情報や死亡の際は死因,がん・脳卒中・心筋梗塞の罹患などを追跡している.JPHC Studyでは,脂質に関わる複数の論文を発表しており,n-3多価不飽和脂肪酸摂取と虚血性心疾患リスク,飽和脂肪酸摂取と脳卒中・心筋梗塞罹患リスク,総コレステロール低値とがん罹患リスク,HDLコレステロールと認知症・軽度認知障害の関連などが代表的な論文である.また,2011年からは,7県の40~74歳の地域住民26万人を対象人口として,次世代多目的コホート研究(JPHC-NEXT)を開始している.約11.5万人から研究参加への同意と生活習慣に関するアンケート調査への回答が得られ,約5.5万人から血液と尿の提供を受けた.追跡情報としては,異動や電子化医療情報などを活用した疾病罹患・治療状況,要介護認定データの収集を行っている.
「KEY WORDS」コホート研究,一般住民,アンケート,生体試料,予防

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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