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特集 免疫と代謝の接点:イムノメタボリズム

Ⅱ.全身代謝とイムノメタボリズム

3.視床下部炎症とイムノメタボリズム

田中智洋

The Lipid Vol.30 No.2, 55-60, 2019

動脈硬化症は炎症性疾患である,というパラダイムシフトから30年,今,肥満症をはじめとする代謝疾患における慢性炎症の病因論的意義が衆目を集めている.代謝ストレスが炎症を起こし,炎症の慢性化が代謝異常を惹起する,という病態の構図は,脂肪組織や肝臓など全身の古典的代謝臓器で認められる.しかし視床下部は,高脂肪食を食べることにより,最も早く炎症性変化が生じる臓器の1つであり,かつ栄養代謝の最上位中枢であることから,視床下部炎症は全身の代謝疾患ドミノの最上流に位置する可能性がある.本稿では新しい概念である視床下部炎症の病態と意義について概説する.
「KEY WORDS」肥満症,レプチン,マイクログリア,食欲,飽和脂肪酸

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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