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第5回 一細胞解像度脳アトラスによる全脳全細胞解析

村上達哉上田泰己

The Lipid Vol.30 No.2, 6-11, 2019

われわれの生体組織は生命の構成単位である細胞を基本要素として成り立っており,各々の細胞がバランスをとりながら組織を成り立たせている.組織中の細胞がもつ生理的機能は多種多様であり,一つひとつの細胞の機能を全組織レベルで明らかにすることは,複雑な生体を理解する上で究極的に求められる技術の1つである.しかしながら,比較的サイズが小さいマウスの脳においてすら,少なくとも7,200万細胞は存在していると考えられており,これら細胞の機能をすべて観察することには途方もない作業が必要であることは想像に難くない.筆者らはこの目的を達成するために全細胞の位置情報を含む一細胞解像度のマウス脳アトラスを作成し,そのアトラスを公開することで研究者らが自由に細胞情報を付与することができる新しい解析プラットフォームを提供した.このような全脳一細胞解像度アトラス(CUBICアトラス)を用いることで脳内に存在するすべての細胞を網羅的に解析することが可能となり,一細胞レベルでの脳機能の理解につながることが期待される.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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