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特集 原発性高脂血症研究の過去・現在・未来

Ⅱ.各論

1.家族性高コレステロール血症ホモ接合体研究の過去・現在・未来

小倉正恒

The Lipid Vol.30 No.1, 38-43, 2019

PCSK9阻害薬およびMTP阻害薬の登場により家族性高コレステロール血症ホモ接合体(HoFH)の認知度は確かに向上した.HoFHを対象とするさらなる新薬(ANGPTL3阻害薬)の登場も予定されている.一方,従来よりも高い頻度と考えられるHoFH患者の実態把握や遺伝子検査の制限とそれ自体の限界は診断上の未解決課題である.治療については,PCSK9阻害薬導入によりLDLアフェレシスを離脱した患者も多く存在するが,アフェレシスからの離脱が将来の心血管イベントや生命予後に影響を及ぼすのか,われわれはまだ知らない.診断率の向上・高齢出産化に伴う遺伝カウンセリング体制の構築や国・患者個人が直面する医療経済も重要な未解決課題である.
「KEY WORDS」家族性高コレステロール血症ホモ接合体,指定難病,遺伝子診断,LDLアフェレシス,新薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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