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特集 原発性高脂血症研究の過去・現在・未来

Ⅰ.総論

1.原発性高脂血症研究創成期

山本章

The Lipid Vol.30 No.1, 16-21, 2019

頭に原発性と付いた病名は多く,それぞれによって原発性のもつ意味はかなり異なっている.高脂血症の場合は食事の影響を受けやすい上,糖尿病や腎疾患に続発することが多く,それが家系の解析や国際比較を困難にしてきた.家族性高脂血症は19世紀終わり頃から遺伝性が明らかにされていたが,20世紀の終わり近くになって,LDLレセプターの欠損症として確認された.しかし,頻度の高い複合型高脂血症の原因はいまだ複雑なままに残されている.わが国では食事の影響により循環器疾患との関連についての認識は高血圧のように高くはなかったが,20世紀の半ば,リポ蛋白・アポリポ蛋白分析法の確立とアメリカでのNHLBIの設立の影響を受けて欧米との交流が始まり,1971年に動脈硬化学会が設立された.スタートでは欧米に後れを取ったが,治療面ではスタチンの発見と臨床応用,アフェレーシス療法の開発において,また診断面では試薬の開発,そして生活習慣のコントロールの面で欧米をリードしている.
「KEY WORDS」家族性高脂血症,血漿リポ蛋白分画法,スタチンの発見,LDLアフェレーシス,特定疾患原発性高脂血症研究班

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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