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巻頭言

残余リスクとしての脂質異常症とゲノム医療の将来

吉田雅幸

The Lipid Vol.30 No.1, 1-2, 2019

脂質異常症が現在も心血管疾患のリスクファクターの1つであることはいうまでもないが,HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の普及によって,心血管疾患の発症およびそれによる死亡が大きく減少したことは歴史的な事実である.世界中が恩恵に与っているスタチンによるLDL低下作用をもってしても,すべての心血管疾患を撲滅することはできていない.スタチン使用後に残された心血管リスクを標的として新たな治療手段の模索はその後も続けられているが,スタチンと比較して有用性を示すための薬剤開発の道のりは決して平坦ではない.そのような取り組みのなかで上市されたエゼチミブ,PCSK9阻害薬はいずれもユニークなLDL低下作用で現在のわれわれの脂質異常症治療戦略に重要な薬剤であるが,特に興味深いのはそのいずれもがゲノム解析研究結果から導き出された薬剤であるという点だ.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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