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特集 脂質代謝と心臓血管病:up-to-date

4. 心臓血管周囲脂肪と心臓血管病

佐田政隆

The Lipid Vol.29 No.4, 37-44, 2018

動脈硬化の病態においては,従来研究されてきた血管内腔側からの脂質の沈着だけでなく,血管周囲の新生血管を介した細胞流入や微小出血が関与することが報告されている.特に,心外膜脂肪は,冠動脈を取り囲んでおり,動脈硬化病変形成にさまざまな影響を及ぼすことが示唆されている.筆者らは,臨床材料ならびに動物モデルを用いて,血管周囲に存在する脂肪組織の血管病変形成に及ぼす影響について検討した.血管,特に冠動脈周囲には豊富に脂肪組織が存在し,血管の慢性炎症に深く関与し,プラークの進展と不安定化に重要な役割を担っていることが明らかになった.
「KEY WORDS」心外膜脂肪,動脈硬化,炎症,肥満,サイトカイン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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