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特集 脂質代謝と心臓血管病:up-to-date

3. Small dense LDLと心臓血管病

平野勉

The Lipid Vol.29 No.4, 30-36, 2018

LDLコレステロール(LDL-C)は動脈硬化性心臓血管病(ASCVD,以下CVD)発症にかかわる最強の原因物質であるが,リスクファクターとしては鈍感である.CVDを頻発するメタボリックシンドロームや2型糖尿病ではLDL-Cは著明な増加をしない.LDLは粒子サイズの異なる亜分画より構成される.小型で密度の重いLDLをsmall dense LDL(sdLDL)と称し,その代謝過程において粥状動脈硬化の主因である酸化LDLのよき原料になると考えられている.LDL-Cが軽微な増加にとどまるメタボリックシンドロームや2型糖尿病でもsdLDLは著明に増加する.われわれは自動分析装置でsdLDLを簡単に定量できる測定法を確立した.本稿ではsdLDLの組成,生成機序,CVDとの関連に関するエビデンス,測定法,治療につき概説する.
「KEY WORDS」small dense LDL,コレステロール,CVD,インスリン抵抗性,トリグリセライド

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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