近年,治療の進歩によって糖尿病患者の心血管イベントの発症率は減少している.治療の効果や安全性の検証には,ランダム化比較試験が基本とされるが,最近の大規模臨床試験では,必要とされるイベント数をなるべく短期間に確保するために対象をきわめてハイリスクな患者とすることがほとんどであり,これらの研究結果が1次予防にも適応しうるのかどうか,また日常臨床に当てはめられるのかどうかについて疑問に思われることも多い1).また,最近のランダム化比較試験のほとんどが特定の薬剤の有効性・安全性を検証する試験であって,われわれが求める危険因子のコントロール目標に関する研究や治療法の比較検討に関する研究はきわめて限られていることも問題である.
巻頭言
「1,000万通りの個別化医療」を目指して
掲載誌
The Lipid
Vol.29 No.4 1-2,
2018
著者名
植木 浩二郎
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。