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第2回 組織透明化による全身全細胞解析

久保田晋平高橋恵生上田泰己宮園浩平

The Lipid Vol.29 No.3, 4-8, 2018

近代医学は観察技術・測定技術の発展とともに進歩してきた.19世紀ドイツの医学者であるRudolf Virchowは顕微鏡で観察することによって”細胞の働き,細胞と細胞の間の相互作用に異常があって疾患が引き起こされる”という概念を提唱し,細胞病理学を確立した.そしてこの疾患の原因が細胞の異常に由来するという概念はさまざまな疾患に対する治療法を発展させた.特に癌に対する治療法は紀元前から19世紀に至るまで外科治療のみであったが,20世紀になり癌細胞を標的とする化学療法および放射線療法が,21世紀になり癌微小環境を標的とする免疫療法などが開発された.しかし依然として全身に広がる癌転移巣を根治することは困難であり続けている.癌再発および癌転移などを標的とした治療法の開発を行うためには全身癌病態のさらなる理解が急務である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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