次世代シーケンサーを用いて一度に数百,あるいは全遺伝子を一度に解析し,ゲノム医療を実践するにあたっては,解析の安定性,精度が問題となり,こうしたシステムを医療の現場で患者の治療に直接的に利用するためには,精度管理基準の設定と医療体制の構築が必須である.また,そうしたシステムを医療インフラとして整備するためには,行政による正しい方向付けと法的整備,人材育成のビジョンが必要である.しかし,日本の医療において,ゲノム医療,特に癌ゲノム医療は3~4年遅れているといわれており,こうした現状を打破するために必要な,ゲノム医療の出口を明確に見据えた適切な政策の施行と教育・人材育成について述べる.
「KEY WORDS」ゲノム医療,精度管理,人材育成,啓蒙活動,薬事承認