特集 プレシジョンメディシンの現状と未来
Ⅱ.各論 5.癌のリキッドバイオプシーによるプレシジョンメディシン
The Lipid Vol.29 No.2, 61-66, 2018
リキッドバイオプシーとは,血液などの体液の採取によって癌組織採取(バイオプシー)に匹敵する,あるいはそれを上回る情報を入手しうるものと期待される新技術である.その解析標的には,細胞外DNA,miRNA,血中循環腫瘍細胞,エクソソームなどがあげられる.治療方針の最適化や治療後のモニタリングには細胞外DNAや血中循環腫瘍細胞の有用性がよく報告されている.一方,癌の早期診断の領域ではマイクロRNAやエクソソームの有用性が期待される.いずれの標的も検出方法や評価方法が十分には成熟しておらず,今後ますます学問的理解が深まるとともに,早い段階での実用化に向けて技術開発が進められている.
「KEY WORDS」ctDNA,miRNA,CTC,exosome
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