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特集 プレシジョンメディシンの現状と未来

Ⅱ.各論 3.ゲノム情報に基づいた臨床研究のデザイン

後藤信哉

The Lipid Vol.29 No.2, 49-54, 2018

現在の医療ではランダム化比較試験のエビデンスレベルが高いとしている.世界人類は均質で,年齢,性別,糖尿病の有無など少数のパラメーターのみが個人差のパラメーターとされている.臨床医は家族歴を重視する.今後パーソナルゲノム情報取得を前提とすると,個人を識別するパラメーターはゲノム情報,バイオマーカー情報など爆発的に増加する.数万例をランダムに割り振っても,膨大なパラメーターは均質に分布しない.ランダム化比較試験による仮説検証能力が減少し,識別された個人に対する最適治療を見出す新規の臨床試験が必須となる.
「KEY WORDS」ランダム化比較試験,エビデンス,平均的症例,標準治療,プレシジョンメディシン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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