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特集 プレシジョンメディシンの現状と未来

Ⅰ.脂質代謝特論 3.脂質代謝からみた癌のプレシジョンメディシン

右田敏郎

The Lipid Vol.29 No.2, 29-35, 2018

癌治療は従来の外科的切除,化学療法,放射線療法に加え,近年は分子標的治療,癌免疫療法の開発により進行癌でも一定の延命効果が期待できるようになってきた.癌は多様性を特徴としているため,遺伝子情報などに基づくプレシジョンメディシンの最も適した対象疾患である.一方,脂質は細胞にとって不可欠な機能性分子であり,脂質異常は発癌にも関与する.癌細胞は正常細胞よりも脂質代謝が盛んであるため脂質代謝は癌の治療標的になるが,現状ではその分子標的薬の開発は遅れている.癌プレシジョンメディシンの重要性が高まるにつれ,脂質代謝を標的とする治療の重要性が増している.
「KEY WORDS」癌,プレシジョンメディシン,脂質代謝,分子標的薬,ドライバー遺伝子

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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