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特集 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017

11.高齢者・女性

江草玄士

The Lipid Vol.29 No.1, 88-97, 2018

日本人は男女とも世界第2位の長寿国であり,高齢者の動脈硬化予防の進め方は重要な問題である.動脈硬化の最も重要な危険因子は加齢であり,高齢者において高コレステロール血症の寄与度は低くなる.冠動脈疾患の二次予防に関しては前期,後期高齢者ともスタチンの有効性が示され,また前期高齢者では冠動脈疾患,非心原性脳梗塞の一次予防効果も期待できる.後期高齢者のスタチンによる一次予防効果は明らかでなく,また超高齢者への対応も十分なコンセンサスがない.
女性の動脈硬化性疾患の頻度は男性より低い.特に閉経前女性のリスクは低いので薬物療法の適応は慎重に判断する.閉経後女性も生活習慣管理が優先されるがハイリスク患者には薬物療法を考慮することも妥当である.
「KEY WORDS」高齢者,女性,スタチン,一次予防,二次予防

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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